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光ファイバー FTTH の現状

〜 この記事は、2002年5月に作成された内容です。ご了承の上ご覧下さい 〜

NTTの光化の現状
日本の基幹部分では光ファイバーが大量に余っており、都市全体での普及率も、県庁所在地クラス以上の都市なら6割、10万人以上の都市でも4割程度で、光ファイバーは家庭の近くまで達しようとしている。
問題は一般に「最後の1マイル」と呼ばれる、家庭への加入者線で、日本の場合は地下で1.5km、地上で0.7kmの、合計2.2kmの加入者線である。この部分を光化することで、一般家庭での高速データ通信が可能となる。

現状の光ファイバーを使ったサービス
光ファイバーを使ったインターネットへの接続サービスがあるが、例えば50Mbpsのインターネット接続であるスーパーOCNを契約するとアクセス回線の利用料と合わせて、月額1千万円を超えてしまう。 6Mbpsの接続回線でも200万円程度となり、かなり高額なため一般ユーザーには、縁の無いサービスであると言える。

政府の目標
政府は、IT基本戦略を打ち出したが、その目標である30Mbps〜100Mbpsのアクセス回線を
1,000万世帯に普及させるには、数万円で提供する必要が有ると思われる。これは、現状のコストと比べてみると驚くべき目標であることが分かる。

IT基本戦略
政府のIT戦略会議とIT戦略本部が世界最先端のIT国家となることを目標に去年11月27に「IT基本戦略」を決定した。 5年以内に世界最先端のIT国家となることを目標に掲げている。

具体的な目標
.5年以内に少なくとも3,000万世帯が高速で、1,000万世帯が30M〜100Mビット/ 秒程度の超高速でインターネットにアクセスできる環境を整備する。
.1年以内に全国民が低料金でイ ンターネットに常時接続できる環境を整備する。
.IPv6を使うインターネットへの移行を推進する。
.高 速無線インターネット環境を実現し,高度道路交通システム(ITS)や地理情報システム(GIS)と連携でき るサービスの普及を促進する。
.海外とのインターネット接続を高速化する


FTTHの本命か!「光・IP通信網サービス
「IT基本戦略」の中で市場支配力がある電気通信事業者に他社より厳しい規制を課す「非対称規制」を導入すべきという考えを打ち出し、光ファイバの開放や通信事業者が光ファイバを敷設するための管路を開放するルール整備の必要性を明記している。
これは、 NTTに対する光ファイバの開放を指摘しているものと言える。

このような背景もあり、NTTは、光ファイバーを安価に利用できプロバイダ等も参入がしやすい光・IP通信網サービスを「IT基本戦略」決定の翌月(昨年12月26日)から試験的に開始した。 接続速度は、10Mbpsで東京23区、大阪市内の一部のエリアで提供中である。料金は、集合住宅向けメニューで3,800円、基本メニューで13,000円と一般個人ユーザーでも手の届く料金となっており対応プロバイダの接続料金を合わせても20,000円以下で利用可能となる。
現在は、10Mbpsであるが、ONU(光終端装置)を変更するだけで技術的には数百Mbpsも可能であり本格サービス開始後は10Mbps以外のメニューが登場する可能性がある。
このサービスは平成10年に発表された「メガメディア構想」を5年前倒しにしたもので、大容量通信ニーズの高まりは業界関係者の予想をはるかに上回っている。

電話もいずれ、IP化されFTTHで利用可能となる
今年4月から優先接続の「マイラインサービス」が開始されるが、全国一律20円の電話サービスを行うフュージョンコミュニケーションは、VoIP(Voice over IP)を利用した事業者である。専門家によると、いずれ電話サービスはVoIPに集約されると考えられている。
現在電話サービスを利用するためには、一般電話回線、ISDN回線が存在するが、FTTHを利用した場合は、直接ユーザー宅からIPによって電話を利用することも可能である (NTTも将来的には、検討中のようである)
もしVoIPを利用した電話サービスが本格的に開始されると、大幅にコストが抑えられるため国内の電話代が全国一律、若しくは定額になることも十分予想される。

「FTTH VS CATV」の構図が変わる
全国には600社を越えるCATV事業者がありサービスを提供しているが、ケーブルの敷設には、多額な設備費が必要である。NTT東日本/西日本が行うFTTHを利用することで、CATV用のケーブルの敷設が不要となる「FTTHを利用したケーブルモデムシステム」が登場した。もちろんインターネット接続も提供可能となる。これにより今後 CATVが、光ファイバーを利用したサービスの一つとなっていくようである。
参考資料:NTTのFTTH用ケーブルモデム

接続プロバイダのバックボーン
光ファイバーを使った接続サービスは、プロバイダーまでの接続が速くなるためプロバイダーのバックボーンの強化が必要となる。今後、高速な常時接続回線をユーザーがどのように利用するかにもより、未知数な部分が多いが、動画などの大容量のコンテンツの利用が増えれば、大容量のバックボーンでも常に渋滞となる可能性が有る。
いずれは、バックボーン回線自体のコストも下がると思われるが、光接続でのユーザーが増え始める当初は、深刻な問題となるかもしれない。


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